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最終審査結果

2017年10月12日(木)「第40回オリジナルファッションコンテスト」最終審査会を開催。
約450人の観客が見守る中、一次審査を通過し実製作された作品がステージの上を華やかに飾り、ファッションショー形式による審査の結果、
グランプリ1点、準グランプリ1点、ファイブ賞1点、40回記念賞1点が決定しました。

審査結果の総合講評
今回はHEP FIVEのコンテスト40年の歴史に相応しい、重厚な作品の応募が多かったと言えます。デザイナーたちの心に奥深く、しかも表現力に溢れる作品の数々に、審査はより真剣さを増して行われました。全体的な特徴としては、『素材』の選定が多岐に亘り、手工芸的な選択がなされており、そのほとんどが装飾的な効果を持つもので、圧倒的であったことが挙げられます。一方、デザイン画では素晴らしいアイデアや素材の流れを見せていても、現実にはその美しさの表現には未熟で相及ばなかったものなども目に付きました。これらの作品のデザイナーたちには、これからの進展を多く期待します。
NPO法人ユニバーサルファッション協会名誉会長 今井啓子

受賞作品詳細

グランプリ

喜びの声

発表の際、自分の作品のシルエットが見えた瞬間は本当に嬉しかったです。作品についてはメンズライクな服をベースにしながら、反戦運動やデモ活動のプラカードを意識して、平面的になるように前の切り替えを無くすなど、メッセージをどう表現するかにこだわりました。今後も、時代性があり意味が伝わるような服を作っていきたいです。

受賞者

岡本 龍星/おかもと りゅうせい
大阪文化服装学院

制作コンセプト

中国や北朝鮮で軍服としても着られている人民服に反戦運動での人々の心の叫びを表現しデザインしました。

審査員コメント
華やかさはありませんが、印象に残りました。デザイナーさんが伝えたい事、人々の関心が高い事を、直接的かつファッショナブルに表現したと思います。中の人民服は、街に着ていける完成度で、生地や着丈においてモダンに昇華されていました。メッセージは透明のビニルにのせることで主張しすぎず、外と内のバランスも絶妙でした。
繊研新聞社 安部裕美
クリエーター自身の心から溢れ出る平和への強い気持ちを込めて、プラ・パネルを透視させて自衛服の形で表現したもの。デザイナーとしての意思表示をファッション・デザイン化した作品は数多くあり、メッセージ性の強いものには英国に始まったロック時代からベトナム戦争・60年代~70年代までの歴史があります。
NPO法人ユニバーサルファッション協会名誉会長 今井啓子
コンセプトに対してのメッセージと軍服(ユニフォーム)デザインのクオリティー共に完成度が高い作品でした。今の時代を反映したインパクトがあるグラフィックですが、服自体はシンプルですぐにでも着ることができる。今を感じられる服です。
ファッション デザイナー 有働幸司
様々な色や形の作品が並ぶなか、グレイと黒という派手さのない色ながらも、作品から感じた強さは唯一無二でした。こうしたコンセプトの作品はネガティブになったり過剰になったりしがちなところを、最後の一枚でメッセージを伝えるだけでなく、中に着た服の美しさやバランスの良さを際立たせる効果にも繋げられた仕上がりも素晴らしいです。
装苑 編集長 児島幹規
2Dと3Dの違和感の出し方が上手でしたし、難しいテーマにも説得力のあるパターンや縫製など仕事が丁寧で印象的でした。審査でも意見が分かれた作品でしたが、賛否両論ある作品提案に私は好感が持てました。
ファッション デザイナー 鷺森アグリ

準グランプリ

喜びの声

まさか自分が賞をいただけると思っていなかったので、本当に驚きました。インスピレーションを得たチェコの民族衣装と、滝のムード感を両立させ、水しぶきが落ちていくような表現にするためにストライプを選んで作りました。今後も、良い服を作り出せるように頑張ります。

受賞者

髙梨 貴一/たかなし きいち
大阪文化服装学院

制作コンセプト

チェコの昔話から着想。敗戦し、女装して逃亡する王様の可愛らしい姿から溢れ出る焦燥心を立ち切り・フリンジで表現。

審査員コメント
重くなりがちなドレスをシャツ地のような先染めストライプで軽く見せた点が面白かったです。断ち切りフリンジやギャザー、配色、シルエットも美しいと思います。ショーでの見せ方も上手で、体の前で組んでいた腕を降ろした際、引きずるほど長くボリュームのある袖が表れ、印象的でした。
繊研新聞社 安部裕美
シンプルなTシャツとジーパン一辺倒に対する洒脱で楽しいコスチューム派のデザイン。素材のギンガムを装飾手法のギャザー、プリーツ、レース風縫い付けなど自由自在に駆使して軽快なフリンジの作品に仕上げています。
NPO法人ユニバーサルファッション協会名誉会長 今井啓子
コンセプトが”チェコの昔話から着想”なので哀愁がある作品をイメージしていましたが、素材の選びや立ち切りフリンジのクラフト感が、服全体に温かみのある、着る人がハッピーになれる服に仕上がっていると思いました。本当に丁寧に作れた素晴らしい作品です。
ファッション デザイナー 有働幸司
この服にしかない、その先の広がりを感じました。それは、誰もが見たことがあるようでいながら、実はみたことがない服に仕上がっていたからでしょう。素材感やシルエットを上手く伝えるステージ上での演出からは、ジャンルやテイストを越えてファッションに求めたい、憧れのようなものを感じられた点もとてもよかったですね。
装苑 編集長 児島幹規
ショーでのプレゼンテーションが上手で、ボリュームの出し方にもメリハリがあり、アプローチは王道ながらも、純粋に美しい作品でした。
ファッション デザイナー 鷺森アグリ

ファイブ賞

喜びの声

伝統的な日本画の琳派と、現代のデジタルのミックスを表現するために、プリント柄と、柄データを1から自分でつくった刺繍を組み合わせました。素材感にもこだわったので、受賞はもちろんですが、モデルさんにイメージを素敵に表現いただけたことも嬉しかったです。

受賞者

太田 美咲/おおた みさき
名古屋モード学園

制作コンセプト

日本の伝統「琳派」と現代のデジタルアートを融合。プリントと刺繍を組み合わせることで平面から立体へ。

審査員コメント
日本の伝統美術と現代のデジタルアート、表現したいことがわかりやすく、力強く伝わってきました。黄と黒、ピンクや緑など、うるさくなりがちな色の組み合わせですが、シンプルなプリーツやオープンショルダーで上手くまとめていたと思います。
繊研新聞社 安部裕美
立体的な刺繍とプリントの平面にパッチワーク的な手工芸の精緻な組み合わせが、デジタルなアートと結合して、現代のモダニズムを感じさせる作品として人を惹きつける魅力に溢れています。
NPO法人ユニバーサルファッション協会名誉会長 今井啓子
第一審査でみたデザイン画とイメージコラージュ。是非、完成した作品をみたいと思いました。和と洋のデジタルアートの融合はかなり完成度が高いです。それを表現する刺繍とプリントの組み合わせもセンスを感じました。日本人より海外の方が似合いそうな服。
ファッション デザイナー 有働幸司
色もシルエットも、とにかく独自のバランス感覚に優れています。琳派とデジタルと言うテーマの表現も、とても上手くできていますが、なによりも昨年(ファイブ賞を受賞)と比べ、各段と服作り自体が上手くなっています。ご自身の表現方法を明確にお持ちなので、これからも自分のスタイルを明確に打ち出す作品を作り続けてください。
装苑 編集長 児島幹規
デザインの落とし込みも、テクニックとしてのグラフィックも上手ですし、ご自身のデザイナーとして作りたいキャラクターが確立されていると思います。このキャラクターをもってして、次の新しい提案を楽しみにしております。
ファッション デザイナー 鷺森アグリ

40回記念賞

喜びの声

持っていたハギレやメッシュの生地からイメージをふくらませました。色々試しながら、3色使っていても統一感があり、きれいに見えるように意識して作り上げた作品です。他の方の作品も力作ぞろいで、そのような中で受賞することができ、とても嬉しかったです。

受賞者

丹羽 可林/にわ かりん
名古屋モード学園

制作コンセプト

メッシュに生地を通し縫わずに作る服を提案。技術が進歩している今だからこそ人の手で作り出す温かさを表現。

審査員コメント
縫わずに服を作るというコンセプト、発想が面白く、その完成度の高さにも驚きました。メッシュに通した生地が、まるで敷き詰めたお花のようで、表面の凹凸や色の陰影がきれいでした。全体を引いて見た際に、もう少し異なる素材または色の組み合せが部分的にあったほうが、インパクトが出て良いかもしれません。
繊研新聞社 安部裕美
布地では、到底醸し出せないような、美しくて立体的な色彩美に溢れる表現を、見事に造り出している作品。縫製することなく、人の手で細かく作り上げたシンプルなシルエットが秀逸です。
NPO法人ユニバーサルファッション協会名誉会長 今井啓子
とにかく、製作コンセプト通りの作品です。人の手で作り出す温かさがストレートに伝わりました。そのテクニックにも脱帽です。学生さんの作品とは思えないです。もちろんデザイン面も今を感じる服でソフィスティケートされていると思います。
ファッション デザイナー 有働幸司
縫ってではなく、縫わずに手作り感を伝えたい気持ちは、安価な服が氾濫する今ならでは。どんなジャンルでも効率が求められる今だからこそ、新しい何かは誰もやりたがらない、手間をかけた作業がから生まれます。そこに気が付き、実践して仕上がった、見たことがない一着。素材感を生かしたシルエットの出し方も上手いと思います。
装苑 編集長 児島幹規
デザイン画からイメージやバランスを通貫されており、さらに無縫製というテクニックを加えていて、それにより揺れる動きが面白いなんともバランスの良い作品でした。次はそこに丹羽さんにしかないアイデアを乗せたものを見てみたいです。
ファッション デザイナー 鷺森アグリ

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